2018.07.03
みなまたちーず
試作に2年以上の月日を要した、モンブランフジヤのロングラン商品!
現在の場所に、お店が移転した2001年。
移転オープンの目玉にしたいと思い、試作を繰り返したのが、一口サイズのチーズケーキ。焼き色はしっかりついているけれど、中はしっとり半生な感じを目指していました。
通常、チーズケーキは180度〜200度の温度帯で焼き上げます。
ただ、その温度帯で焼き上げると、食感が「ポソッ」とした感じになってしまう。
何とか短時間で焼き上げられないものか?色々考えたけれど、うまくいかずに時間が過ぎていきました。
1年以上も試行錯誤していた頃、温度を間違えて300度の温度で焼いたことがありました。
上は丸焦げ。けれど中がしっとり。
「いい!!!」そんな歓喜の声があがりました。短い時間で、高い温度で焼き上げる。その失敗がヒントになりました。
けれど今度は、短い時間で、もっと高温で焼き上げても、生地が爆発してしまう。
何度もそこを繰り返し失敗しました。
たまたまテレビか、雑誌かで目にした気球。熱風で膨らませる仕組みです。
「あっ!!!オーブンも熱があって、少ないとはいえ気圧がかかってる!!!」
「じゃあ、もっと高い温度で、さらにオーブンの扉を開けて焼いてみよう!!!」
ただ、400度近い温度にしたら、オーブンが壊れないか、火事になるんじゃないか?と心配でメーカーに尋ねました。答えは「8時間連続で焼いても大丈夫。」
そして試した350度、扉は全開で、10分の焼き時間。
焼けた!!!黄金色の表面、中はしっとり半生。
最後に微調整で鉄板を逆さにし、更に濡れた新聞紙を4枚間に挟んで「近火の遠火」で仕上げます。オープンの一週間くらい前、ようやくの完成となりました。
そして今もなお、当店のロングラン商品になっていることをとても嬉しく思っています。
何年もつくり続けている今でも、上手に焼き上げられると感動し、ひとつひとつの「みなまたちーず」を見るたびに毎回新鮮な気持ちになり、たまらなく愛おしくなります。